(キーワード: Linux カーネル)
リリースノートの適当訳
とりあえず、リリースノートの和訳です。 かなり適当なので間違っているかもしれません。
Version 0.6.3
- 4の倍数でなかったメモリサイズを修正(これがクラッシュを引き起こした)。
- コンソールのI/O性能の向上(特にXP上で)。
- SourceForgeでのBug# 1117510(READMEファイルに情報が不足している問題)を修正。
- SourceForgeでのBug# 1117511(コマンドライン引数のethXが不正だと、coLinuxがエラーメッセージとともに終了する問題)を修正。
- /dev/memと/dev/kmemに対するアクセスを制限(udevとインストールプログラムでの問題を修正)。
- NTコンソールでCTL-ALT-SHIFT-DELをCTL-ALT-DELとして動作するように変更。
- cofsでユニコードをサポート。
- cofsでディレクトリを作成するとWindowsがクラッシュする問題を修正。
- いくつかのエラーメッセ時をちょっとだけ親切に変更。
- 非PAEマシンに対してちょっとした最適化。
- cofsでリネームするとリブートする問題を修正。
- コンソールが表示されない問題を修正するために、カーネルを2.6.10から2.6.11にアップデート。さらに、クラッシュ問題を解決するためにいくつかのパッチを追加。
- いくつかのlinuxホスト用のlinuxファイルを、winntホスト用のwinntファイルに同期(?)。
- ビルドスクリプトがPOSIOXシェルの構文を使用するようになった。
- 最大メモリサイズが1000MBに増加され、テストされた。
- Win2K上のcofsで"df"すると100%CPUを消費する問題を修正。
- slirpのコードをアップデート。現在、slirpは非常に安定しており、有力なネットワークオプションである。
-
FLTKコンソールのフォント名とサイズを環境変数で指定できるようになった(固定幅のフォントのみ)。
set COLINUX_CONSOLE_FONT=Lucida Console:12 - "sdo"をscsi aliasingに追加。
- 多くのドキュメント、微小なバグ、等など。
必要なパッケージのインストール
(この部分はcoLinux-20041024 と一緒です)
最新のcoLinuxは2.6系列カーネルのみサポートしています。 なので、coLinux 0.6.1を使用している人は、 必要なパッケージをインストールしておきます。 既に、2.6.xベースのスナップショットを使っている人には この項は不要だと思います。
下記のコマンドで2.6系列のカーネルが要求するパッケージを調べましょう(「-s」を忘れずに)。
# apt-get update # apt-get -s install kernel-image-2.6.6-1-386
次に、上記のコマンドでインストールしようとしたパッケージ(もちろんkernelパッケージ以外)をインストールしましょう。私は、dash, cramfsprogs, initrd-tools, module-init-toolsをインストールしました。
# apt-get install dash cramfsprogs initrd-tools module-init-tools
ついでにパッケージをアップグレードしておきましょう (これは既にスナップショットを使っている人もやっておきましょう)。
# apt-get update # apt-get upgrade
以前のcoLinuxのアンインストール
(この部分もcoLinux-20041024 と一緒です)まず、coLinuxを動かしている人はShutdownさせましょう。 これには、coLinuxにログインしてshutdownコマンドを実行しても良いですし、 coLinuxをサービスで動かしている場合は 「コントロールパネル→管理ツール→サービス」の「Cooperative Linux」を右クリックして「停止」を選択しても良いです。
サービスで動かしている場合はコマンドプロンプトで以下のコマンドを打って、 サービスからcoLinuxを削除しておきます。
C:\coLinux>colinux-daemon --remove-service
Cooperative Linux Daemon, 0.6.2
Compiled on Sat Feb 5 10:19:28 2005
daemon: removing service 'Cooperative Linux'
daemon: service 'Cooperative Linux' removed successfully.
次に、今まで使ってた設定ファイルのバックアップを取って起きましょう。 特に、ファイル名がdefault.colinux.xmlのままの人は名前を変えておきましょう。
最後に、旧バージョンをアンインストールします。 これはコントロールパネルの「アプリケーションの追加と削除」で「coLinux」を 選択すればOKです。
coLinux 20050524のインストール
stable-coLinux-20050524.exeを http://www.colinux.org/snapshots/からダウンロードします。
インストールしたファイルをダブルクリックするとインストーラが起動します。 ここからは0.6.1と同じなのでこちらを見てください。 必要な人は、WinPCapもインストールしておきましょう。
設定ファイルの作成
自分の環境に合わせて、設定ファイルを作成しましょう。 標準でついてきたdefault.colinux.xmlと、バックアップしておいた自分の設定ワイルを比較しながら作成します(colinux-0.6.2から変更は不要のようです)。
私はとりあえず以下のようにしてみました(行頭の数字は説明のためのものです)。
3行目には自分のルートイメージ、 4行目にはスワップイメージ、 5行目にはcofsの設定、 7行目はinitrd(起動用RAMディスクイメージ)、 8行目はカーネル、 9行目のメモリサイズです。 ルートイメージ、スワップイメージの用意できていない方は、 こっちを見て用意しましょう。
10行目はネットワークの設定です。これは以前のバージョンと一緒です。 こちらの「ネットワークの設定」を見て適切なnameを指定します。
特に、以前のcoLinuxをアンインストールすると、TAPデバイスもWindowsからアンインストールされてしまいます。そして、coLinux-0.6.2のインストーラにより新たにインストールされなおします。従って、WindowsでのTAPデバイスの名前やIPアドレスなどは再度設定しなおす必要があるので注意してください。 ちなみに、最近私はTAPデバイスの名前をこちらの例の「Local Area Network 1」ではなく、 「TAP-Win32」としているので9行目のようになっています。
1: <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> 2: <colinux> 3: <block_device index="0" path="\DosDevices\c:\coLinux\root.img" enabled="true" /> 4: <block_device index="1" path="\DosDevices\c:\coLinux\swap.img" enabled="true" /> 5: <cofs_device index="1" path="\DosDevices\c:\" type="flat" enabled="true" /> 6: <bootparams>root=/dev/cobd0</bootparams> 7: <initrd path="initrd.gz" /> 8: <image path="vmlinux" /> 9: <memory size="128" /> 10: <network index="0" name="TAP-Win32" type="tap" /> 11:</colinux>
動作確認
coLinuxの起動はコマンドプロンプトから行います。 colinux-daemon.exeに"-c"オプションをつけて、 設定ファイルを指定する必要があります。
コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力して、coLinuxのコンソールが起動するのを確認しましょう。
C:\Documents and Settings\scratchpad>cd c:\coLinux C:\coLinux>colinux-daemon -c my.colinux.xml
以前は、手動でモジュールを展開しておかないと、起動時にいろいろ起こられたのですが、このバージョンではinitrdがサポートされたためそんな心配はありません。 下記のように起動するはずです。
ちゃんと起動したらrootでログインして下記コマンドでcoLinuxをシャットダウンしましょう。
# shutdown -h now
cofsを試す
さて、動くことを確認したら新機能であるcofsを試してみましょう。 cofsとは、coLinuxからホストPCのディスクに直接アクセスするファイルシステムです。 今までは、ホストPCで共有フォルダを作成し、それをsmbfs等を使ってマウントしていましたが、より直接的にファイルを共有できるようになるはずです。
「cofsをサービスで使う」のページで 私がでっち上げたパッチが需要があったようで本家に採用されたようです(参考1, 参考2)。 colinux-devel MLに投稿していただいたOkajimaさん、ありがとうございます。 まあ、次のリリースからXMLファイルでの設定はできなくなるようですが…
cofsとは
まず、cofsに関するドキュメントを見てみましょう。 オフィシャルなcofsのドキュメントはhttp://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=98788からダウンロードできるcolinux-0.6.2.tar.gzに含まれています。 このファイルを展開してできたディレクトリのdoc/cofsがそのドキュメントです。
以下が例によって適当訳です。 かなりわかりにくいかもしれませんが、 UMLというのはUser-Mode-Linuxの略でcoLinuxのだいぶ前から開発されているLinux上でLinuxを動かす機能であることと、 coLinuxにはWindows上だけでなくLinux上で動くバージョンもあることを念頭に入れて読めば分かりやすいかもしません。
このドキュメントでは、設定方法がcolinux-daemonのコマンドラインオプションで 書かれていますが、 このページではXMLファイルでの設定方法を説明します。
coLinuxカーネル内のcofsドライバは、 fuse-1.3ライブラリとカーネルコードに貢献している人々、すなわちMiklos Szerediの成果に基づいている。
cofsは、UMLのhostfsと同じようなものであり、ホストのVFS層とLinuxのVFS層を結びつける。 cofsを使うことによって、ホストOSのディレクトリをLinuxからマウントすることができる。
Flat mode (default)
Flatモードでのマウントは、vfatやsambaでマウントしたファイルシステムと同じような動作が期待できる。 これは、通常のUNIXメタデータがサポートされず、 UNIXアトリビュート(mode, uid, gid)は全てのファイルとディレクトリで事実上同じとなることを意味する。 シンボリックやデバイスノード、パイプなどの特殊なファイルは作成できない。
UNIX meta data mode
cofsの将来のバージョンでは、hostfsと同様に、UNIX meta data modeを導入する予定である。 これにより、VMのUNIXメタデータを隠しファイル(?)として保存することにより、 Windows(あるいはLinux)上に真のUNIXファイルシステムを構築することができる。 理論上は、ルートファイルシステムイメージがなくても、 完全なLinuxシステムを起動することが可能となる。
Ports
このドキュメントが書かれた時点(2004年10月23日)では、cofsのホストサイドはWindows上でのみサポートされる。
計画中のLinux上へのポーティングでは、 UMLのflat mode(UNIXアトリビュート付き)のhostfsとUNIX meta data modeのhumfsに、 より似るようにデザインされる予定である。
cofsの設定
cofsXX=host-pathname
XXは0から31の数字。
マウント方法
mount -t cofs (cofs)XX(:path) (-o options) /mnt/point
'cofs'はデバイス名のプリフィックスでオプショナルである。 これはわかりやすくするために使用されている。
オプショナルのサフィックス':path'により、 ルートの替わりマウントする内部パスを指定することができる。
'option'はsmbfsと同じである
gid: デフォルトのグループ
uid: デフォルトのユーザ
dmask: デフォルトのディレクトリパーミッション
fmask: デフォルトのファイルパーミッション
例
次のような設定を用いる。
colinux-daemon kernel=vmlinux hda1=root_fs cofs0=c:\
これはcofs0をc:\に割り当てる。
mount -t cofs 0 /mnt/windows
これc:\を/mnt/windowsとしてマウントする。
mount -t cofs cofs0 -o uid=dax,gid=dax /mnt/windows
これc:\を/mnt/windowsとしてマウントし、 daxに全てのファイルとディレクトリのフルアクセス権を与える。
mount -t cofs cofs0:Share -o uid=dax,gid=dax,dmask=0700,fmask=0700 /mnt/windows
これc:\Shareを/mnt/windowsとしてマウントし、 daxに全てのファイルとディレクトリの排他的フルアクセス権を与える。
fstabエントリの例:
cofs0:Share /mnt/windows cofs defaults 0 0
cofsの設定
さて概要がわかったら試してみましょう。 ここではホストPCのc:\dataをマウントしてみることにします。 coLinux-0.6.2ではXMLファイルでcofsの設定ができるようになりましたので、 以下の例のようにXMLファイルを修正します。 もちろん5行目がcofsの設定の部分です。
1: <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> 2: <colinux> 3: <block_device index="0" path="\DosDevices\c:\coLinux\root.img" enabled="true" /> 4: <block_device index="1" path="\DosDevices\c:\coLinux\swap.img" enabled="true" /> 5: <cofs_device index="0" path="\DosDevices\c:\" type="flat" enabled="true" /> 6: <bootparams>root=/dev/cobd0</bootparams> 7: <initrd path="initrd.gz" /> 8: <image path="vmlinux" /> 9: <memory size="128" /> 10: <network index="0" name="TAP-Win32" type="tap" /> 10:</colinux>
cofsの設定項目は次のとおりです。
- index=
- cofsの番号です。この例では、マウントするときにcofs0としてマウントデバイスを指定します。
- path=
- cofsに割り当てるWindowsのパスです。block_deviceにならって、「\DosDevice\」に続いてデバイス名を指定してください。 この例では、cofs0をc:\に割り当てることになります。
- type=
- cofsのタイプです。"flat"と"meta"を指定できるのですが、 今のところ"flat"を指定してください。
- enabled=
- このcofsを有効にするかどうかです。falseの場合は、cofsデバイスとして利用できません。
試す
XMLファイルができたら、coLinuxを起動しましょう。 無事起動したら、coLinuxで次のように入力し、 cofsをマウントします。
# mount -t cofs cofs0:data /mnt
さてちょっとスピードを測ってみましょう。 適当に見つけたpostmarkというパッケージで以下のように測ってみました。
# apt-get install postmark # cd /mnt # postmark pm>run
結果は以下の様な感じです。「cofs」はcofsでマウントしたディレクトリ、 「smbfs」はsmbfsでマウントしたディレクトリ(WinPCapでのブリッジ接続)、 「ディスクイメージ」はディスクイメージ上のディレクトリ(/usr/local/test) で上記コマンドを実行した場合の測定結果です。 参考のNFSは、LAN上のファイルサーバ(Linux)のディレクトリを NFSでマウントした場合の測定結果です。 単位はKバイト/秒です。
cofs | smbfs | ディスクイメージ | |
---|---|---|---|
Read: | 155.25 | 23.68 | 1360 |
Write: | 505.87 | 77.17 | 4450 |
これを見るとsmbfs(TAP-Win32での接続)よりかなり早くなってます。 ホストPCとのデータのやり取りにはcofsのがずっと早そうです。 ただ、2chでの書き込み等を見ていると日本語のファイル名が含まれていると、 ls等ができないようです。使用する方は気をつけてください。
コマンドラインオプションを試す
coLinux-0.6.2では、設定を全てコマンドラインオプションで設定することができます。 このコマンドラインオプションは、UML(User-Mode Linux)のものと近いようです。
私は、coLinuxの設定はXMLファイルで行っているのですが、 コマンドラインオプションの方が主流となりそうなので一応紹介しておきます。
私の上記のXMLファイルをコマンドラインオプションに直すと次のようになります。
C:\coLinux>colinux-daemon kernel=vmlinux mem=128 cobd0=root.img cobd1=swap.img cofs0=c:\
root=/dev/cobd0 initrd=initrd.gz eth0=tuntap,"TAP-Win32"
上述の設定ファイルと比較するとどこに何を指定したらよいかわかると思います。 一つ要注意なのが、ネットワークの指定です。 これは以下のようになります。設定ファイルの<network ... />の部分(9行目)と比較してみてください。
ethX=YYY,"ZZZZ"
- X・・・設定ファイルのindexで指定した数値を指定する。
- YYY・・・設定ファイルのtypeでbridgedを指定していた場合は「pcap-bridge」、tapを指定した場合は「tuntap」を指定する。
- ZZZ・・・設定ファイルのnameで指定した文字列を""付きで指定する。
なお、coLinuxの後述のようにサービスとして起動する場合は、 コマンドラインオプションを使うことができません。 サービスとしてcoLinuxを使う方は、XMLファイルを利用しましょう。
coLinuxをサービスとして利用する
これはのバージョンと一緒です。 ただし、サービスとして利用する場合はXMLファイルで 設定情報を記述しなければいけない点に注意してくだっさい。
サービスとして利用する場合は以下の様な手順になります。
C:\Documents and Settings\scratchpad>cd c:\coLinux C:\coLinux>colinux-daemon --install-service -c my.colinux.xml
上記のコマンドを打ち込むと以下のように表示されるはずです。
C:\coLinux>colinux-daemon --install-service -c my.colinux.xml
Cooperative Linux Daemon, 0.6.2
Compiled on Sat Feb 5 10:19:28 2005
daemon: installing service 'Cooperative Linux'
daemon: service command line: "C:\coLinux\colinux-daemon.exe" --run-service "Coo
perative Linux" -d -c "my.colinux.xml"
daemon: setting restart options
daemon: service installed.
サービスの起動
この状態ではサービスに登録されているだけなので、起動はしていません。 まだ、起動時に自動で起動するようになっていません。
そこで「コントロールパネル」→「管理ツール」→「サービス」からサービスの設定を変更します。「サービス」を開くとインストールされているサービス一覧が表示されますので、名前が「Cooperative Linux」となっている行を選択して右クリックでプロパティを選ぶと下のダイアログが表示されます。
このダイアログボックスの「開始ボタン」を押しましょう。 これでcoLinuxがサービスとして起動します。
サービスの状態が「開始」になるので、とりあえずcoLinuxが動いたのがわかりますが、 確認するにはtelnetやsshでネットワーク接続してみるか、 coLinuxをインストールしたフォルダにあるcolinux-console-fltk.exeかcolinux-console-net.exeをダブルクリックすることによってコンソールを表示させることができます。
サービスの自動起動
無事にサービスとしてcoLinuxが動いているのが確認できたら、 Windowsの起動時にcoLinuxが自動的に起動するようにしましょう。
これは簡単で、上記のダイアログボックスのスタートアップの種類を「自動」にすればOKです。
おしまい
以上でcoLinux-20050524への移行は完了です。
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